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８月のウェブマガジンのテーマ「道草は楽しい！」にちなんで、「持ち物検査」では靴を取り上げることにしよう。
私は鼻緒がついた履物が好きだ。窮屈な靴から解き放たれた五本の足の指が、深呼吸して喜んでいる。おととしの夏はまるでバカボンのパパみたいな雪駄、去年は下駄にはまった。そして今年はビーサン。
私は名前を短縮して呼ぶのは好きではないが、これだけはビーチサンダルじゃなくて、ビーサンと呼ぶほうがしっくりくる気がする。
今年は、ちまたでビーサンが大流行している。お店で一番目に止まるのはハワイアナスのもの。鼻緒が1本しかないデザインのものがあったり、とてもスタイリッシュで惹かれるが、私は葉山・げんべいを選んだ。
葉山にある「げんべい商店」。創業はおそらく江戸末期という老舗で、ビーサンを作り続けて５０年、海辺の若者らの必需品として有名になり、ここのところBEAMSを初め、いろいろなメーカーとのコラボレーションで楽しいビーサンを作っている。店構えが店構えなだけに(笑)、まさかオンラインで買えるとは思っていなかったので、ホームページを見つけたときは驚いた。
台の部分と鼻緒がそれそれ10色ずつあって、好きな色を選んで組み合わせることができる。私は、娘とおそろいでこの色（白×抹茶色）を選んだが、台と鼻緒が同じ色のものが人気なようだ。
お値段も一足1000円と買いやすいので、いろんな色をそろえるのも楽しいだろう。
このホームページ、ビーサンが買えるだけでなく、幾種もあるブログがとてもおもしろい。その中の一つ「葉山ビーサン物語」の５月２６日のブログを見たときには大爆笑してしまった。興味のある人はぜひ一度ご覧あれ。
（げんべいのオフィシャルサイトはこちら→☆）
ずいぶん昔、まだ私が会社勤めをしていたころ、友達と沖縄・慶良間諸島の座間味島で、夏の一週間を過ごしたことがある。朝起きてごはん食べて、海で遊んで、昼ごはん食べて、また海であそんで、昼寝して、夕方海辺に寝転んでビール飲んで、晩ごはん食べて、寝る。一週間ずっとこの繰り返し。他に何もすることがない。いい夏休みだった。
座間味島なら、３６５日ずーっとビーサンで過ごせるんだろうな。
今私が住んでいるのは大阪の北部の住宅街、当然近くにビーチはない。暑さでトロケそうなアスファルトの上を歩くのにビーサンが適しているとはとても思えないのに、わざわざ葉山のビーサンを取り寄せて履くなんて、私のミーハーさ加減ここに極まれり。アホじゃなかろうか！アホで結構。ただ私は、せめて足だけでも、”海で夏休みを過ごしているつもり”になりたいだけなのだから。
writer : yumizu
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