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BACK NUMBERS

[ 持ち物検査 no.3 ]
フェールラーベンのカンケンバッグ


　

実は私は、ランドセルを背負ったことがない。こどもの時、母が「重いから」という理由で買ってくれなかったのだ。かわりに与えられたのは、ナイロン製の黄色で四角いリュックサック。確かに軽くて背負いやすいのだろうが、クラスのみんなは赤くてピカピカのランドセルを持っているのに、私だけリュックサックなんて…。小学校1年生の私は、友達がうらやましくて仕方なく、買ってくれない母を恨んだ。

そして我娘が小学校に入学するにあたり、娘にはもちろんピッかっピッかの真っ赤なランドセルを。やっぱり小学生はこうでなくっちゃね。でも、小柄な娘が背負うと、まるでランドセルが歩いているみたいになって、かわいくもあり、重そうでちょっとかわいそうにも思えた。そして３年生になり、教科書や荷物が増えたせいか、学校から戻った娘の背中は汗びっしょりで、肩も痛いらしい。少しでも軽いリュックで通学したいと言いだした。今となれば、私の母の選択は間違っていなかったのかもしれない。

そこで、何かいい感じの通学かばんはないかと探して見つけたのがこれ。（実は、夫がみつけてきたのだが。）スウェーデンのアウトドアメーカー、フェールラーベン社のカンケンバッグだ。買った後で知ったのだが、カンケンバッグはスウェーデンのこどもたちの通学バッグとして愛されているものなのだそうだ。さしずめ、”スウェーデンのランドセル”といったところなのだろうか？（それならば、他の国のランドセルはどんなものなのか、ちょっと調べてみたくなった。）
フェールラーベンの最大のヒット商品で世界中で300万個以上も売れている。現在のデイバッグの原型とも言われるカンケンバッグは、ストックホルムの電話帳をモデルにして作られたのだそうだ。ビニロン製のカンケンバッグは、日本のランドセルに比べるとちゃちな印象があり、すぐダメになるんじゃないかと思ったが、ところがどっこい、すごく頑丈なようだ。スウェーデンではお父さんからのお下がりのカンケンバッグを持っている小学生もいるほど長く使えるのだとか。
まだ使い始めて間もないが、娘はとても気に入っている様子。これまで使っていた赤いランドセルと併用すればいいだろう。

ムムム…、知れば知るほど娘が持っているのがうらやましくなってきた。価格も手ごろだし、自分用にもうひとつ買おうかな。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　writer : yumizu