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大人っぽくて、さりげなくて、履き心地のいいスニーカーはないものかと探していて見つけたのが、スピングルムーブのＳＰＭ１１０のアイボリー（少しグレーががった白）。一見したところ、「どこにでもある」普通の白いスニーカーという感じですが、実は「どこにでもあるというわけにはいかない」スニーカーなのです。
スピングル・ムーヴは広島県の備後地区にある靴メーカーで、靴作りの行程を全て日本で行っている、正真正銘のＭＡＤＥ ＩＮ ＪＡＰＡＮスニーカーなのです。ソールのゴムがもち上がって、側面をぐるりと包み込んでいるのがわかりますか？これは、「バルカナイズ製法」というもので、手作業の上、高度な技術を必要とするため、この技術を用いて生産しているのは国内でもスピングル・ムーヴを含めて３社のみだそうです。アッパー部分は、カンガルーの皮を使用しているので、とても軽くてフィット感抜群の一品です。
私が見つけたのは、[ yumizu
]のまえかけを取り扱っていただいている東京・神楽坂の「貞」さんでです。「貞」さんは、履物を中心とする和小物のお店。小さなお店で尚且つ品数も少なくて、店主の日野さんが厳選されたこだわりの品物だけが一点一点大切に並べられた、とても感じのいいお店です。スピングルムーブのスニーカーは、静かに凛とすましてそこにありました。一目で気に入った私は、すぐに履かせていただいて、その心地よさに、衝動買いしてしまいました。
ですが、買ったはいいが、スニーカーとはいえ、白だし、革だし、しかもカンガルーの革の靴なんて、もったいなくてなかなか履けませんでした(笑)。そこら辺が我ながら４０歳にもなって情けないです。ですが、履かずにしまっておくのは、もっともったいないので、汚れるのを覚悟でドンドン履くことにしました。
買ってから半年たちますが、今では３日に１回くらいは必ず出番がやってくる、私の足元のレギュラーメンバーになりました。というのも、シンプルで細身なフォルムのせいか、どことなくスタイリッシュな雰囲気をかもし出しているので、ジーンズ以外にも、リネンのワイドパンツや、ロングスカートなどにも似合うのです。そして何より、履き心地がとてもいいのです。
「貞」の店主の日野さんは、スピングル・ムーヴの魅力についておっしゃっています。「靴って、お店で履いた瞬間は気に入っても、後々いろんな不具合や不満が出てくることが多いですよね。でもスピングルの靴は、長く履き続けても、最初のイメージのまま履き続けられるんです。履く人の期待を裏切らない靴なんですよ。」
確かにその通りだと、私も履いてみて実感しています。
日野さんはまた、こんなこともおっしゃっていました。「物があふれている現代で、その中からひとつを選ぶ基準って、そのもののストーリー（背景）に共感して、それを持っていることで、自分が気分良くうれしくなれるかどうか、なんじゃないでしょうか。スピングルの靴も、見た目は普通だけれど、日本の職人さんが一足ずつ丁寧に作っているんだと思うだけで、うれしくなるし、大切にしようと思えるでしょ。」
スピングル・、ムーヴのスニーカーは手づくりなので当然量産されず、現在取り扱っているお店はインターネット以外では、関東でも数店しかないそうです。
神楽坂の「貞」さんへ行けば出会えますし、店主の日野さんと、この靴のお話がいろいろできますので、今スニーカーを探している人は、ぜひ足を運んでみてくださいね。
スピングル・ムーヴ → ☆
神楽坂 「貞 」 → ☆
writer : yumizu
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