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ウェブマガジンのテーマが「技」ということで、持ち物検査では何か道具をご紹介しようと思い、どうせなら、私の仕事道具をご紹介することに。
「JUKI SPUR98 special」は、職業用のミシンである。ミシンには大きく分けて家庭用ミシン、職業用ミシン、工業用ミシンがあり、職業用ミシンは、工業用のミシンをコンパクトにしたもので、直線縫いの機能のみを備えたもの。直線縫いのみだからこそ、縫い目がきれいで、パワーもあるので厚手の布もスイスイ縫える。「職業用」という名前だからといって、決して自宅で内職をする人専用ではなく、むしろ「洋裁用」と言ったほうが適していると思う。
私がこのミシンを買ったのは今から5年前。それまでは、自宅にミシンはなく、必要なときは近所の実家へ行って母のミシンを借りていた。だが、まえかけの仕事も
軌道に乗ってきたところで、新作まえかけの試作にも必要なので、思い切って購入した。ミシンは私の持ち物の中で自動車、パソコンに次いで高価な買い物なので、買うときにはかなり慎重になった。実家のミシンも職業用で、縫い目の美しさは実感していたので、自分も買うなら職業用と決めていた。職業用なら、工業用でシェアの高いJUKIがよいだろうと。でも、なによりも
決め手になったのは、このデザイン美しさだ。真っ白でピカピカ、余計なボタンやレバーがなく、なんともシンプルで、機械っぽくないところが気に入った。でも、直線縫いしかできないのでボタンホールは別の機械をとりつけなければいけないし、ジグザグを踏めないのでアップリケもつけられないし、ふちかがりもできない。
こんなのを気に入って使っているのは私だけだと思っていたら、近頃、手づくり系の雑誌などでこのミシンをよく見かけるようになった。フードスタイリストの伊藤まさこさんのお宅の写真にもこのミシンが写っていた。ミーハーな私は、そんなことが結構うれしかったりする(笑）
私は、いはゆる「雑貨」とうものがあまり好きではなく、家にもあまり
不必要な装飾的な雑貨は置かない。むしろ機能美に優れた道具が
置かれた部屋にあこがれる。作業台、本棚、ミシン、アイロン、画材、文房具、布、紙などの素材類。それらが、散らかり過ぎない程度に、部屋の主に便利な場所に雑然と置かれている…。そんなアトリエになら、このミシンはきっとよく似合うと思う。いつの日かそんな部屋を持てる日を夢見て、明日も頑張ろう。
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writer : yumizu
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