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私、サンドイッチが大好きなのだ。家でもしょっちゅう作る。
ロースハム１枚に薄くスライスして軽く塩を振ったきゅうり、そしてゆで卵を刻んでマヨネーズで和えたものをはさんだ、極々普通のミックスサンド。これが一番好き。そして、パンにはバターや辛子は塗らないのが私のこだわり。そのほうが、おいしい気がするのだ。そして、押しはしっかりする。具とパンがしっくりなじんでいるかいないかでは、味
が全然違うと思う。パンの耳はあまり好きではないので、バッサリ切り落とす。この作業、けっこう大変だと思うが、あまりにも頻繁に作りすぎて、最近では、卵さえ茹でておけば、後は５分もあればできるようになった。押しをしている間にコーヒーを入れれば、１０分後には、ゴキゲンなお昼ごはんができる。
…と、自分のサンドイッチ道を長々と語ってしまったが、そんなサンドイッチ好きの私が、自分のサンドイッチより好きなのが、これ。
神戸トアロード デリカテッセンのサンドイッチだ。
トアロードデリカテッセンといえば、いわずと知れた、神戸の老舗デリカテッセン。知らなかったが、創業１９４９年、日本で最初のデリカテッセンなのだそうだ。神戸出身の私の両親は、昔から神戸へ行くとかならずここのハムやソーセージを買ってきて、幼い私にも食べさせてくれた。ハム以外に、燻製がとてもおしいくて、スモークサーモンは絶品。それらの、とびきりおいしくて上等な具材をはさんだサンドイッチなのだからおしくないわけがない。
だが、ここのサンドイッチがおいしい一番の理由は素材ではなく、
そのあきれるほどのシンプルさにあると思う。
スモークサーモンのサンドイッチは、パンにスモークサーモンを一枚はさんだだけ。チーズサンドは、チーズとサラダ菜一枚だけ。ハムサンドはハムとサラダ菜一枚だけ。ローストビーフサンドはローストビーフとサラダ菜一枚だけ。バターや辛子も塗っていない様子。ただし、パンは焼きたてフワフワでしっとりしている。パンのミミがきらいと言ったが、ここのミミは、ミミを感じさせないほどやわらかいので、O.K.だ。お味も当然ながらシンプルそのもの。具材とパンそれぞれのおいしさがしみじみと感じられて、いく
らでも食べられる。マヨネーズを使わないサンドイッチがこんなにおいしいんだと、痛感する。
結婚して間もないころ、夫と始めて食べたときは、パンをカットせずに大きいままを密封パックされてぺちゃんこにしてあった。その感じがなんとも外国風でかっこよく感じられて印象に残っていた。
今回、あのぺちゃんこのサンドを求めてデリカテッセンに買いに行ってみれば、半分にカットされ、切り口が見えるように、セロファンで包まれていて、なんだかありきたりでちょっとがっかり。店の人に、大きいままのサンドイッチはないのですか？と訪ねると、「はいはい、すぐにお作りしますよ。」というお返事。でも残念ながら、密封パックはされておらず、ぺちゃんこではなかったが、ま、仕方がない。
サンドイッチはお店の二階の喫茶室でもいただけるが、ぜひ、どこか眺めのいい屋外で、ポットにいれたコーヒーとともにバクバク食べることをおすすめする。
さあ！この秋はトアロードのサンドイッチを買ってピクニックにでかけよう！
神戸トアロード デリカテッセン
神戸市中央区北長狭通2-6-5賢安ビル2F
078-331-6535
デリカテッセンのＨＰはコチラ→☆
writer : yumizu
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